ペットライフ講座

1歳のお誕生日を迎えたワンちゃんは、もう立派なオトナ。
心も体も充実して、安定した時期を迎えています。飼い主さんも、なにかと慌ただしかった子育ての時期を終えて、ホッとひと息、健康やしつけなどの知識も増えて、ワンちゃんとの暮らしを満喫していることでしょう。
この講座では、より楽しく幸せなペットライフを送っていただくために、「食事」「健康」「日常」の面から、飼い主さんの疑問や悩みを解決する情報を提供していきます。

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1歳~6歳の成犬の飼い主さんへ
6回目:健康管理 「手軽にできる健康チェック」

こんな様子が見られたら ~症状別に考えられる主な原因~

 ここでは、健康チェックで異常が見られた場合に考えられる主な原因を症状別にご紹介します。

■元気がない
健康なときに比べてワンちゃんの反応が鈍い、動きたがらない、散歩に行ってもうつむきながら歩く、好物のおやつなどを与えてもすぐに食べようとしないといったことが見られたら、何らかの病気かもしれません。
【考えられる主な原因】
・先天性の心臓病
・肝臓の病気(急性肝炎など)
・ガン(悪性腫瘍)
・内分泌系の病気(糖尿病など)
・内部寄生虫(フィラリアなど)
・その他、ケガ、中毒など

■吐く
吐くという行為は、消化途中のものが胃や小腸を経て口から吐き出される「嘔吐」と、食べた直後のものが食道から口へと逆流して吐き出される「吐出」とに分けられます。嘔吐は胃や腸の異常によって起こり、吐出はのどや食道の異常によって起こるとされています。
【考えられる主な原因】
・消化器系の病気(胃炎や腸閉塞など)
・尿毒症
・腎臓の病気(急性腎不全など)
・子宮蓄膿症
・ガン(腹部の腫瘍、悪性リンパ腫など)
・感染症(パルボウイルス性腸炎など)
・その他、頭部の強打、誤食、過食、中毒など

■下痢をする
犬も人間同様、病気でなくても下痢をすることがあります。しかし、下痢が何日も続いたり、水のような便やタール状のドロッとした便が出た場合や、嘔吐を伴うような場合は決して放置せず、すみやかに獣医師の先生の治療を受けるようにしてください。
【考えられる主な原因】
・消化器系の病気(腸炎など)
・食物アレルギー
・膵臓の病気(急性膵臓炎など)
・肝臓の病気(急性肝炎など)
・感染症(ジステンパー、パルボウイルス性腸炎など)
・内部寄生虫(イヌ条虫症など)
・その他、腹部の腫瘍(ガン)、過食、中毒など

■オシッコに異常がある、オシッコが出ない
オシッコの回数が増えたり、排尿の姿勢をとるものの、オシッコの量が少なかったり全く出ない場合は、泌尿器系の病気や前立腺の異常が疑われます。また、オシッコに血が混じっている場合は、急性の病気の可能性があるので、すぐに獣医師の先生の治療を受けるようにしてください。
【考えられる主な原因】
・泌尿器系の病気(膀胱炎、尿路結石など)
・前立腺の異常(前立腺肥大など)
・子宮蓄膿症
・糖尿病
・その他、フィラリア症、腹部の腫瘍(ガン)、タマネギ中毒など

■呼吸の異常、せきをする
普段と違って苦しそうに呼吸をしていたり、早くて浅い呼吸を繰り返しているときは、重大な病気の可能性もあるので、至急獣医師の先生の治療を受けてください。何日もせきが続く場合は、気管支炎など、呼吸器や心臓に異常がある可能性があります。
【考えられる主な原因】
・心臓の病気(心不全、僧帽弁閉鎖不全など)
・フィラリア症
・呼吸器の病気(気管支炎、肺炎、気胸など)
・ケンネルコフ
・ケガ(胸腔への出血など)
・その他、軟口蓋過長症、気管支の異物、中毒など

■体温が高い
運動後や興奮しているときなどは一時的に体温が上昇しますが、安静時に体温が高い場合は、何らかの病気の可能性があります。犬が発熱すると40℃前後になることが多く、額や耳のつけ根に手を当てると普段よりも体温が高いことに気づく場合があります。
【考えられる主な原因】
・呼吸器の病気(気管支炎、肺炎など)
・尿路感染症( 腎盂腎炎など)
・感染症(ジステンパー、イヌ伝染性肝炎など)
・熱中症
・その他、炎症性の病気、中毒など

■体をしきりに掻く、舐める
ワンちゃんがしきりに体の一部を掻いたり舐めたり、あるいは、床や壁に体をこすりつけるような場合は、皮膚に寄生するノミやダニやアレルギーなどの可能性があります。また、内蔵に異常があり、皮膚が過敏になっている場合もあります。
【考えられる主な原因】
・寄生虫などによる皮膚病(ノミ・ダニなど)
・アレルギーによる皮膚病
・膿皮症
・その他、肝臓や腎臓の病気、過敏症、シャンプーが合わないなど

■いつもより多く水を飲む
非常に頻繁に水を飲むような場合は、何らかの病気である可能性があります。ホルモン分泌の異常や泌尿器系の病気、糖尿病などが考えられますが、下痢や嘔吐を繰り返したときも水を欲しがります。この場合は、下痢や嘔吐の原因をつきとめる必要があります。
【考えられる主な原因】
・ホルモン分泌の異常(クッシング症候群、甲状腺機能亢進症など)
・泌尿器系の病気(腎不全、膀胱炎など)
・糖尿病
・その他、脱水など

■口臭がひどい
動物は口で食べ物を食べるため、多少の口臭はありますが、強い口臭が病気のサインである場合もあります。口の中の病気が口臭の原因となる場合が多いとされていますが、歯周病などは日常的にケアすることで、ある程度の予防が可能となります。
【考えられる主な原因】
・歯垢
・歯周病(歯周炎、歯肉炎)
・口腔のガン
・尿毒症
・感染症(レプトスピラ症など)
・その他、糖尿病、咽頭炎、腎臓病など

■頭をしきりに振る、耳を掻く
犬の耳は人間の耳よりも通気性が悪いとされており、外耳炎などの病気にかかることも珍しくありません。ワンちゃんが頭を回転させるようにしきりに振ったり、後肢でしきりに耳を掻くような場合は、耳の内部に異常があるのかもしれません。
【考えられる主な原因】
・外耳炎
・外耳道の異物
・ミミダニによる耳疥癬
・その他、マラセチア(カビの一種)による皮膚病など

☆POINT
◎症状によって原因となる病気はさまざま。飼い主さんは、日頃からワンちゃんの様子をよく観察して、「普段と違うかも?」と感じたら、迷わずに獣医師の先生に相談するようにしましょう。

獣医師からのアドバイス

愛犬の基本的な体のデータを知っておいても良いでしょう

 健康チェックでより正確に体の異常を発見するためには、愛犬の普段の様子を観察するだけではなく、基準となるデータを知っておくことも大切です。正常とされる数値には個体差もあるため、飼い主さんは、健康なときの愛犬の「体重」「体温」「安静時の呼吸数」「安静時の心拍数」などを測っておいて、その数値を記録しておいても良いでしょう。
◎犬の平熱:38.5度~39度程度
◎安静時の呼吸数:毎分10~30回程度
◎安静時の心拍数:小型犬の場合毎分60~80回、大型犬の場合毎分40~50回程度

参考文献: もっともくわしいイヌの病気百科(矢沢サイエンスオフィス編/Gakken)

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